80’s ホテル編

研修内容というのは、一人の講師の方がいて

立ち方、トーションの使い方、トレイの持ち方、サーバーの仕方
飲物の注ぎ方、食器の下げ方などなど。

どういうわけか、話し方だとか、挨拶の仕方だとかということは
無かったと記憶している。

フォークとスプーン、ナイフとスプーンなどの組合せでとりわけていくのだけど
やはり、皆さん現役の方たちばかりなので、なれた手さばきで
しかも早く綺麗に仕事をこなす。

要は、料理長の最初の一皿を忠実に再現して食物を並べていくのよ。
まあ、当然といえば当然なのだけど
直ぐにマスターするわけも無く
才田さんに、後は仕事しながら憶えればいいよって。

そして、六日間が過ぎ最終日。
この日は講師が替わり、着物を着たおばあさんに。
そして、この日だけは今までいた20人の若者たちだけではなくて
仲居さんのような着物を着た叔母さんが20人ぐらいと、
度派手なスーツのバンケットサービスの方たち30人ぐらいが大挙して。

なので、講師のおばあさんの話し声はほとんど聞こえず
前の方で、何をしているのかもわからず
あっという間に二時間が過ぎたのでした。
まあ、あとからプリントを見てみると
和食の基本的なセッティングの仕方からお土産の盛り方、包み方。
そんなようなものだったと記憶しています。

洋食より、はるかに難度が高いらしく
憶えきれないとみんなぼやいていましたよ。

これで、研修は終了したのでしたが。
ここであった才田さんが、○○配膳協会の事務の叔母さんと親戚
関係にあったらしく
異例ではあったのですが、翌週頂いた始めてのバイト料はきちんと
研修の時間も加算されていたのでした。