津波で思い出した
昨日久々にご来店された旦那さん。
勤めていた川口の精密機械工場は、昨年解散。
定年まであと2年で残念だけど、のんびりしようかと考えていた矢先。
あの震災。
東北地方の精密関係の下請け工場は、軒並みやられたらしく
川口界隈の会社に仕事依頼が殺到しているのだそうです。
やはり金型関係が多いのでしょうか。
それで、「手伝ってくれっていわれてさ」。
仕事がまた始まるのだそうです。
「オイラあの震災の津波の映像見て思い出したことがあるんだよね」
「オイラ生まれは、麻布十番で麻布自動車の二軒となりだったのよ」
「だから東京タワーが出来ていくのをまじかでみていたもんさ」
「そこでね.........」
「基礎をかなり深く掘っていて、雨が降ると池になっちまうんだ」
「そのドロドロの池に落ちちまって死んだ人間が82人いるんだよ。だから死に池って呼んでたよ」
「ほんとだよ、地元の人間ならみんなしってらー」
「しかも、高さが333メートルっていってるけど、あれも嘘っぱちで
本当は331.5メートルしかねーんだよ」
「ほんとだよ」
この親父さんの言いたいことがなんとなく理解できました。
大きな出来事には、嘘と犠牲がつきもんだって。