2013.02.01 ビジネスジャーナル

PGMのアコーディア・ゴルフ乗っ取り騒動は、ひとまず決着がついた。ゴルフ場運営2位のPGMホールディングスは1月18日、同首位のアコーディア・ゴルフに対する敵対的TOB(株式公開買い付け)が成立しなかったと発表した。17日まで実施したTOBへの応募は16.68%にとどまり、成立の下限としていた20.0%に届かず不成立となった。この時、旧村上ファンドのメンバーが運営する投資会社レノ(東京・港区)は18.12%を保有していたが、TOBに応募しなかった。PGMはパチンコ大手平和の子会社で、業種の垣根を越えたえた買収劇だった。平和は2011年12月、PGMを米投資ファンドから500億円で買収した。平和の子会社となったPGMは12年11月16日から13年1月17日までの期間に、アコーディア株式の50.1%(425億円)を上限にTOBを実施していた。TOBが成立すれば全国2400のゴルフ場の1割相当を保有するガリバー企業が誕生するはずだった。もし実現すれば、現在3位のゴルフ場運営企業の6倍の規模になった。応募が上限の50.1%に達するかに関心が集まったが、ふたを開けてみると上限どころか下限の20%にも届かなかった。PGMの完敗である。PGMは「1月17日に悪質な情報操作があり、TOBの成否に大きな影響を与えた」として、証券取引等監視委員会に対して被疑者不詳のまま金融商品取引法に違反する事実の有無を調査するよう求めた。これは、17日正午過ぎ、外資系通信社が「アコーディアが保有する10のゴルフ場を150億円程度で売却し、自社株買いの資金に充てる」との情報を流した件のこと。アコーディアの株価は17日午前、8万1100円前後で推移していたが、この報道が伝わった直後に始まった午後の取引では、一時前日比3000円高の8万3800円まで急伸。PGMが発表していたTOB価格8万1000円を大幅に上回った。TOB価格を大きく超えたため、TOBを申し込んでいた投資家は応募を取り消し、高値で売り抜けを狙っていた株主はTOBへの参加を最終的に見送った。PGMは、情報操作を仕掛けられたことでTOBが成立しなかったと主張している。こうした泥沼化した攻防戦の最終局面で参戦してきたのが、旧村上ファンドのメンバーたちだ。1月7日付の大量保有報告書で、投資会社レノが、ほか2社と共同でアコーディア株式の13.75%を保有していることが明らかになった。レノは12年11月19日からアコーディア株式を買い始め、12月25日以降、猛烈に買い上げた。保有目的は「投資および状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為などを行う」としていた。レノの役員はM&Aコンサルティング村上ファンド)やMACアセットマネジメントなど、かつての村上ファンドの出身者で占められている。代表取締役は三浦恵美氏。ライブドア村上ファンドによるニッポン放送の乗っ取り騒動のとき、村上ファンドの広報を担当していた三浦氏は美人秘書としてつとに有名だった。当時の肩書はM&Aコンサルティング企画課長だった。三浦氏は早稲田大学政経学部卒業で、在学中に海外留学も経験。外資コンサルティング会社を経て、日興證券ソロモン・スミス・バーニー証券にいたとき村上世彰氏にスカウトされ、村上ファンドに入ったという。彼女は、村上氏のインサイダー事件をめぐる公判をすべて傍聴している。レノが有名になったのは、12年10月、SBIホールディングスの大株主に浮上してからだ。保有比率は5.85%、時価にして73億6800万円を投じたことになる。レノの正体が旧村上ファンドのメンバーが結集したファンドだったことが、すぐに判明した。

そのレノが次なる標的にしたのが、PGMによるアコーディアへの敵対的TOBだ。レノは1月15日、アコーディア株式の共同保有比率を13.75%から18.12%に引き上げた。同時にアコーディアに「PGMのアコーディアに対するTOBが終了した時点で、PGMと経営統合に向けた交渉の場に着くこと。自社株取得を行うこと」を要請する書簡を送り、TOBの期限である17日の正午までに回答するよう求めた。アコーディアがイエスならこのTOBに応募しないが、ノーならTOBに応募するということだ。アコーディアの回答はイエス。レノがTOBに応募しなかったことが、このTOBが不成立に終わった原因の1つだ。ではこのあと、レノはどうやってアコーディア株を売り抜けようとしているのか? それが交渉条件にあった“自社株買い”である。株式を買い占めた相手の会社に、その自社株買いを要求する。これが実施される際に、それに応募して売り抜ける。これは村上ファンドが最も得意とする手法だった。今回も、この手法を採ったわけだ。レノがアコーディアに自社株買いを要請した書簡に、次の一文がある。『アコーディアの株式の価値は、PGMが設定したTOB価格(8万1000円)よりも、アコーディアの依頼で大和総研PwCプライスウォーターハウスクーパース)がDCF(ディスカウント・キャッシュフロー)法に基づいて算定した株式価値(大和総研は12万4632~16万3916円、PwCは10万5492~13万4944円)に近い』PGMのTOB価格よりも、大和総研PwCが算定した株式価値のほうがはるかに高い。TOBに応じるより、自社株買いを要求したほうが儲けは大きい。だから「自社株買いを行え」と要求した。アコーディアが自社株買いを実施すればそれに応募して高値で売り抜けるという、したたかな計算をしているわけだ。レノは首尾よく売り抜けることができるのか。お手並み拝見である。

 

 

そして今年。あきらめたと思っていたら

 

投資ファンドのMBKパートナーズは29日、ゴルフ場運営のアコーディア・ゴルフを約1500億円で買収すると発表した。TOB(株式公開買い付け)により完全子会社にする。人口減少でゴルフ場を取り巻く収益環境の悪化が予想されるなか、アコーディアはファンド傘下で成長投資を加速し、生き残りを目指す。

 MBKによる買い取り価格は1株あたり1210円。過去6カ月間の株価の平均に対して12%の上乗せとなる。アコーディアの借り入れ(636億円)を含めた買収総額は1489億円となる。TOB期間は30日から来年1月18日まで。来春にも上場廃止となる見込み。MBKは取締役の過半数を派遣する。

 旧村上ファンド村上世彰元代表が関係する投資会社のレノ(東京・渋谷)などアコーディアの大株主も、すでにMBKとTOBに応募する契約を結んでいる。

 アコーディアは全国約2400のゴルフ場のうち135コースを運営する最大手。ここ数年は利用者数、業績とも伸び悩んでいる。体力が残る今のうちに非上場化することで、これまで配当などの株主還元に充てていた資金を成長投資に振り向ける。田代祐子社長は「老朽化した設備を更新し、女性など新たな顧客を呼び込みたい」としている。

 

なんとも、すさまじいね。

かつては地元の名士といわれる方々が、銀行にだまされ買った会員権。

バブルが終わるとともに、会員権は紙くずとなり。

その紙くずをアメリカの大手投資会社が拾い集め上場。

そしたら今度は、M&A

そして上場廃止

ゴルフ場もただの企業だったのか。

情けないねー、日本人。

カントリークラブが、ハイエナたちの餌になっても文句一つ言わない。

金で何でも買えるわけではない、何でも売ってしまうのが情けない。