STORY

通称サブ、本名三郎(仮名)

医院をしている両親の3男として生まれる。

兄たちは頭もよく、二人ともお医者さんに。

ホンニンは、頭も同等に良かったのだが、それにもまして顔立ちと

絵がうまかった。

高校卒業時に美大に入学が決まっていたのを蹴飛ばして(親も一人ぐらいは医者じゃなくても)

女(信用金庫勤務)と駆け落ち。

美大の入学金を握り締め、手に手を取っての逃避行。

たどり着いた千葉の港で二人で旅館の従業員となる。

子供も女の子を二人もうける。

ただ、この子供たちがまた血筋のなせる業なのかえらく頭がよくて。

二人とも国立大学の大学院まで行ってしまう。

そー、察しのとおり、教育費に四苦八苦していたのよ。

それでも私ら夫婦みたいな日陰の生活はさせまいと一生懸命働いた。

そして二人の娘は、きっちりええとこの旦那を見つけた。

そこに思わぬ話が飛び込んでくる。

ホンニンの兄(長男、総合病院経営)がなくなってしまった。

親には縁をきられていたが、兄の葬式ぐらいはと出席する。

そこで、兄の子供(ホンニンの甥)から、ホンニンが相続するべき土地が

和歌山にあることを知る。

いままで、お金に対して執着心は無かったが、苦労してきた嫁になんとか死ぬ前に

楽させてあげたいと。

ただその土地、ただの土地ではないのよ。

評価は5億ぐらいだろうか。

ただ40年間も相続手続きしていないものだから、手続きがやたらと複雑。

そしてそれだけではなく、厄介な物件。

ホンニンは、自分の手では終えないと、ちょうど定年になった港町の刑事と一緒に

相続すべく飛び回っているのです。

はじめてから、4年がたちました。

ホンニンは80歳になろうとしています。

うまくいくのでしょうか。


なんかトレジャーハンターみたいですけど、実話です。