課長の金庫番
昨夜はヘトヘトで、夕食を食べ終わったのが9時ごろだったろうか。
眠さをこらえて、天皇の料理番が最終回と思い見ていたら
最終回ではなかった。
番といえば........
もう25年も前のことだから時効だろうけど
会社員時代にとても恐ろしい課長がおりまして。
(男性社員のほとんどが強面なのですが、その中でも特に)
どういうわけか、私気に入られてしまい。
(ただ、同郷というだけで)
課長なのだけど、当時プロ野球の球団を持っていた会社から天下りで
入ってきて、それでも手土産で数十億の投資金を持参してきましたから
もはや、部長でもひれ伏してしまうような立場だったのです。
私は週に二回は、この課長からお呼びがかかり
ホテルのバーでヘネシーを浴びるほど飲むのです。
なぜホテルのバーかといいますと、とにかくその課長に詣でる方たちが
後から後からやってくるものですから、ある程度出入りが自由で
一人グラス一杯の料金で飲んで帰ってもらったほうが安く付くからなのだと
後から気づきました。
女性のいるクラブなんかだと、座っただけでいくら計算されてしまったら
たまったものじゃあないですものね。
そんな折、会社で数冊の通帳を渡され管理することに。
私も一日に三回は銀行へ行っていましたからついでと思い
別段苦にもならなかったのですが。
一年が過ぎたある夏の日、日曜日なのに社長から自宅に電話がかかり
(支店長会議で見たことが数回あっただけの人)
横浜の自宅へ呼び出されました。
どうもこの課長、趣味が高じてセカンドビジネスをしていたらしく
その利益が、一年で○千万に届きそうだったのです。
通帳を預かっていた私も共犯?と社長と顧問弁護士に疑われ
ましたが、お叱りを受けるわけでもなく
ただ、もう止めてくれないかという
お願いだったのでした。
結局、処分も何もなく
車で待っていた嫁と胸をなでおろしたのでした。
ちなみに、その後もしばらくその通帳を預かっていましたが
一度たりとも、おろした事はありません。
ただただ、溜まるだけでした。
まるで、魍魎の匣みたいな。