覚悟

まもなく震災から二年が経とうとしている。

先日テレビでマイケル・サンデル教授が東北大で講演しているのを

観ていて、ちょっと思ったことが。

究極の選択のような、質問を投げかけるのだけど。

例えば、民生委員や消防団の方たちは

自分を犠牲にして救助にあたることはどうなのかとか。

自治体では、自分の身の安全を第一に行動してくださいと指導していると

言っていたし。

そのような犠牲があったおかげで、そういう誇れる人たちがいたか

ら、心が救われたという人も。

また、なかなか進まない町の再建については

全ての人の意見を元に造っていくか、あるいは多数意見を採用して

再建をスピーディーに行っていくかという問いに対しては。

住み慣れた海のそばから離れたくないという人がいるから

高台に移転する計画が、進まないという人に対して

長年住んできて被災して、住民全体の意見を聞く時間が

今は必要なときなのだという人も。


日本の国土を考えた場合、世界にまれにみる地震国。

しかも、上空から見たら海岸線からすぐに山並みに。

海だって危険。里山だって危険。

四季もあり、風土としても決してお気楽な土地とはいえないと思う。

しかし、そこに住み続けているのは

経済的なことではないと思うのよ。

自然とともに暮らさなければならないという覚悟が

DNAの中に刷り込まれているに違いないのよ。

逆にその覚悟が出来てきたのは、何度も自然の猛威にやられたからだと。


小さいときに大地震があって、海沿いに住んでいた私はすぐさま裏山に

批難したけど、爺さんが引き潮が済んで第一波が来ようとしてるのに

なかなか逃げてこないので

きっと、家長たるもの家と一緒に津波に流されなければならないんだ

と真剣に思っていたものなー。


いいんだと思う。

何度でも、海の側や山の側に生活の居を構えても。

自然といきることに覚悟が持てているのであれば。

誰も自然のことは、恨んだりしないしね原発とちがって。


東北地方太平洋沖地震におきまして亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます