お宮さん

8日の夜に嫁、娘、彼氏と炉ばたへ。
真っ黒い建物の中の、真っ黒い壁。番屋のようなお店へ。
煙の中で、婆様が黙々と魚を焼く。
お客は、地元の人はまずいない。
次々に焼いては、串をを抜き小さなまな板で切り整えさらに盛る。
年のいった女たちが、大きな鉄瓶から燗酒を湯飲みに注ぐ。

そういえば、こんな風景どこかで見たような。

まだ小学校の低学年のころ、実家は部落のお宮を守る氏子総代のようなことをしていて5月にそこの祭りごとがあった。
古い家には40人ぐらいの漁師たちが集まり、供えられた酒を飲んでいた。
そこで死んだばあさんは、炉端で延々とトキシラズを焼く。
火加減は誰にも指図されず、「焼けましたか」みたいなこと言った日には「黙ってろ」といってしかられていたような。
地元以外の人といえば、新しく赴任してきた教師ぐらいか、1時間もしないうちに外にでては、ゲーゲー吐いていたっけ。

嫁とは昔一度ここには着たことがあります。
娘と彼氏ははじめて。

嫁がしきりに彼氏に魚の説明をしていました。
たいしたものです。