しんせつ

土曜日の夕方、仙台の社長に合うためにバスに乗った。

この路線二つの駅に止まるのだけど。

その一つ目の駅で大半の人は降りて、そして数人が乗り込む。

その中に、何度か見たことのある白い杖を持ったおばあさん。

「何、なに、ナニ」と大きな声をあげている。

見ると中年のおじさんが乗車するのを手伝おうと、手を貸してるのだけど

それを断りたいおばあさん。

タラップに片足をあげたところで「毎日のってるがやぞ」とおじさんを叱っている。

耳も少し遠いのか大きな声で。

(あらま、富山出身だ)

ただ、右手はおじさんの腕をしっかりと掴んでいる。

 

さてこの場合のおばあさんの右手。

本人はどのような状況だったのだろう。

 

1.強がりを言っていてもおじさんの右腕がありがたかった。

2.一度手すりではなくおじさんの腕をつかまされたから、離すわけにはいかなかった。

3.実は右手で腕をつねっていた。

 

どちらにしても、日常の習慣を変えられたことがいやだったのは間違いない。

最後の駅前についた時、音で全員が降りるのを確認してから立ち上がったもの。

 

この方の場合、本当は黙ってみていたほうが正解だったのかもしれないけど

嫌味を言われても、恥をかいても親切にする勇気は必要なのかも。

親切にする時は、見返りの真逆もあると覚悟してするべきなんだろう。

その勇気がなければ、やめといたほうがいいかも。