泣くか!

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たぶん一人の夜はあと二回。

夕食をすませて、寝る前に嫁が読み終わった本を。

この本は、この上にもほんとはカバーがついていて

「泣ける」「泣けた」の感想だらけ。

確かに書いたのが脚本家だから、つぼは心得ているのだろうけど

誰が泣くかと。

 

いや。

いや。

 

これは、だめでしょ。ずるいでしょ。

案の定、術中にはまってしまう。

この作者、これでもかというくらい目の周りの部位と涙の出かたについて

書いている。

たぶん、それが手なのだろう。

 

映画でも本でも、悲しくて泣くのは女だけだと思っている。

男は、悲しさを押し返そうとする何かに泣くもんだと思っている。

 

この本の中に出てくる高梨さんは、ぜったいこの人よ。

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渋川清彦。