ウェッ

なんとも表現しにくいのだが。

昨日、会社の帰り

自分の東口の駅の階段をのんびり降りていくと

少し肩が当たる程度で追い越していく50台後半の男性。

すると、階段を降りたところのゴミ箱(なかなかゴミ箱とは直には気付くまい)

の中を物色しだした。

きっと雑誌か新聞を探しているのかと思いきや

中からつまみ出したのは、コンビニのお弁当の薄茶色のビニール袋。

太陽に透かして内容物を確認しだした。

そして何か怖いものでも空ける様に、ゆっくりと結びを解いていく。

この時点で、私は彼が何をしようとしているのか

想像することが困難になってきた。

ひょっとして、何かのポイントシールでもあるのだろうかとも。

何故にこうも性善説に走るかというと

彼の身なりが、かなり普通で。

スラックスにポロシャツ。ショルダーバックに真新しいスニーカー。

どうみても、ホームレスには見えないし。

解き終えて、中身を慎重に精査しだすと

なにか爪楊枝のような細いものを自分の鼻先に持って行き

クンクンと匂いをかいだかと思ったら

「パクリ」。

いや、爪楊枝ではない。アレは鮭のハラスの骨だ。

そう、彼は鮭のハラスの骨についていた僅かな身を食したのだ。

2メートルの至近距離でこのような行為を見るのは初めてでして。

目が合わないようにと祈るばかり。

そしてそのおじさん、そのきれいに剥ぎ取られたハラスの骨を上手に

使って、別の本当の残りかすのようなおかずを刺しては食していくのでした。

この炎天下、ゴミ箱に捨ててある弁当の残りカスを......

私自身、吐きそうでしたとも。

透き通ったビニール袋には、明らかに箸が見えるのだけど

それは使わず、骨でカスをつつく。

なんなんだろう。